プレバト俳句の梅沢冨美男
プレバト!!の初期から番組を支える舞台俳優の
【自称300年に1度の役者・梅沢冨美男】
【プレバト俳句の査定】の回だけでも80回を超すザ・サイタシュツジョウシャwであり、こちらも自称・・・
【ミスタープレバト!!】
自称と言っているものの番組サイドも番組中に梅沢冨美男にスポットが当たると必ず自身の大ヒット曲【夢芝居】のBGMが流れる特別仕様で優遇措置が取られていたりする(;・∀・)
査定の先生である夏井いつき先生とは犬猿の仲(本当は仲が良い)で査定でケチを付けられると・・・
『オイ!ババア!』
・・・などの暴言を吐いて口論になる1面は名物となっているw
・・・実際は夏井先生も認める努力家なんですけどね(;^ω^)
今回はそんな梅沢冨美男さんの全俳句を紹介した上で歴代タイトル戦の俳句を振り返ってみようと思います。
梅沢冨美男全俳句
1 | 才能アリ | 頬紅き少女の髪に六つの花 |
2 | Bブロック脱落 | ほろ酔いに赤いタワーも花篝 |
3 | 才能アリ | 万緑や風まきこみて水落つる |
4 | 才能アリ | 雲海や朝日をうみて富士光る |
5 | 才能アリ | 黄金なす陽の香背に負う稲架一重 |
6 | 才能アリ | しんしんと仏の白き息あおぐ |
7 | 才能アリ | トランクに腰掛けバス待つ春隣 |
8 | 才能アリ | 蒼き踏むあおぐ山頂空青し |
9 | 才能アリ | 乙女摘む一芯二葉夏は来ぬ |
10 | 才能アリ | たいくつなコスモス風を揺すりけり |
11 | 現状維持 | 千枚田海にくだけり稲すずめ |
12 | 1ランク昇格 | 湯もみ歌聞こゆ湯畑雪もよい |
13 | 現状維持 | 車窓にはじょんがらのごと雪しまく |
14 | 1ランク昇格 | 湯気ましろましらましろよ雪見の湯 |
15 | 1ランク昇格 | かやぶきの垂氷に溶ける空のあお |
16 | 現状維持 | 左見右見風を抱くや鬱金香 |
17 | 1ランク昇格 | ゆるゆると鷹鳩と化す日のリフト |
18 | 現状維持 | 菖蒲葺く背伸びの空や鯉3つ |
19 | 現状維持 | 万緑を穿つ朱なる列車かな |
20 | 1ランク昇格 | トランクの下の水たまりにも虹 |
21 | 現状維持 | 朝まだき町家にボレロ蝉しぐれ |
22 | 現状維持 | 肩上げのなおたくし上げ冷やし瓜 |
23 | 1ランク昇格 | 遠花火音のみ響くビルの底 |
24 | 1ランク昇格 | 滂沱たる風鈴の音や市の朝 |
25 | 1ランク降格 | 缶ピース線香がわり墓洗ふ |
26 | 1ランク降格 | 秋澄むや蒼し肺ふのありどころ |
27 | 1ランク昇格 | 富士遥かあぜのかりがね寒き朝 |
28 | 1ランク昇格 | ライン引き残してつるべ落としかな |
29 | 現状維持 | 午後の陽にバギーの寝息銀杏散る |
30 | 現状維持 | 南口きみ片待つや去年の冬 |
31 | 1ランク昇格 | 蜜柑「け」とばっちゃが降りた無人駅 |
32 | 降格ドッキリ | 富士に手をかざして返す羽根日和 |
33 | 1ランク昇格 | 御降りの洗いて清し富士青し |
34 | 1ランク昇格 | 銀盤の弧の凍りゆく明けの星 |
35 | 現状維持 | 帯とけばころり福豆二つ三つ |
36 | 現状維持 | 菜の花や厨に眠るあさり貝 |
37 | 現状維持 | 桃色の先になくなる雛あられ |
38 | 1ランク降格 | 花びらも乗車するなり春隣 |
39 | 現状維持 | ハムサンド芥子おおくて夏は来ぬ |
40 | 1ランク昇格 | 紫陽花の泡立つ車窓午後の雨 |
41 | 現状維持 | あるじ無き病室の窓四葩咲く |
42 | 炎帝戦① | 星空の螺鈿を恋ふる夜光虫 |
43 | 1ランク昇格 | いさばのかっちゃスカーフはあけびの色 |
44 | 才能アリ | 絵日記のはみ出すほどに茄子の牛 |
45 | 1ランク昇格 | 夜学果てまだ読みふけるおとがひよ |
46 | 1ランク降格 | えり足に冬の風ありLINE消す |
47 | 現状維持 | 手袋の中の指輪よ再開よ |
48 | 冬麗戦① | ざくざくと空切りひらく雪下ろし |
49 | 1ランク昇格 | じっちゃんの咳ひとつ澄んだ空 |
50 | 現状維持 | 春待つや恵方知らせる店の声 |
51 | 現状維持 | 別珍の手触りのして梅の香よ |
52 | 現状維持 | 春の日は練り羊羹の甘さかな |
53 | 現状維持 | 天領に吹く風やさしつるし雛 |
54 | 1ランク昇格 | 友ふたり卒業の日の病室に |
55 | 俳桜戦② | 空のあお富士の蒼へと飛花落花 |
56 | 現状維持 | 木漏れ日を蹴散らし子らは夏に入る |
57 | 1ランク降格 | おさな子の乳房ふくめる玉の汗 |
58 | 現状維持 | 曇天に俯く北の濃紫陽花 |
59 | 1ランク昇格 | 道ばたの花束ひとつ虹立てり |
60 | 現状維持 | 原子炉と共に溽暑に眠る町 |
61 | 1ランク昇格 | 嬰児の寝息の熱し砂日傘 |
62 | 炎帝戦②決勝 | 旱星ラジオは余震しらせおり |
63 | 現状維持- | 震禍の港あふるる笑顔初さんま |
64 | 現状維持- | 長き夜に母の声音の「ぐりとぐら」 |
65 | 金秋戦②決勝 | 廃村のポストに小鳥来て夜明け |
66 | 現状維持- | 関東炊き竹輪麩足して待つ帰り |
67 | 現状維持- | 義士の日のまねきに白く降る夜空 |
68 | 冬麗戦②決勝 | 万華鏡めける結露や初明かり |
69 | 現状維持- | 札止めの墨色の濃さ初芝居 |
70 | 1つ前進 | 牢名主のごと自販機のおでん缶 |
71 | 現状維持- | ビル街や窓にあまたの山笑ふ |
72 | 1つ前進 | 水やりはシジミ蝶起こさぬように |
73 | 1つ前進 | 紙雛のにぎやか島の駐在所 |
74 | 春光戦③決勝 | 鷹鳩と化すカフェオレの白き髭 |
75 | 現状維持- | 店先の香箱座り暮れの春 |
76 | 春の他流試合 | 退院の雲なき空やつばくらめ |
77 | 1つ後退 | 手放せぬティッシュの甘く養花天 |
78 | 1つ前進 | 緑青のカラン石けんネット揺れて夏 |
79 | 1つ後退 | 薄暑なり日常を行く喪服の吾 |
80 | 炎帝戦③決勝 | 鯉やはらか喜雨に水輪の十重二十重 |
81 | 1つ前進 | 秋夕焼機内に遺影の席ひとつ |
82 | 金秋戦③決勝 | 徒歩で行く免許返納秋の風 |
【色別説明】
才能アリ・昇格・前進
才能ナシ・降格・後退
現状維持
俳桜戦・春光戦
炎帝戦
金秋戦
冬麗戦
以下では梅沢冨美男さんのタイトル戦の俳句について紹介して行こうと思います!
春のタイトル戦!俳桜戦・春光戦【梅沢冨美男】
http://kinsanblog.com/purebato-spring-title
2017年4月6日【第1回春の俳桜戦】
2017年4月6日に放送された【第1回春の俳桜戦】では出場無し!!
2018年4月12日【第2回春の俳桜戦】
2018年4月12日に放送された【第2回春の俳桜戦】第2位
梅沢冨美男(名人9段)
【本人作】空のあお 富士の蒼へと 飛花落花(ひからっか)
※飛花落花(ひからっか)とは、【絶えず移り変わるこの世の無常なたとえ。春に咲く花も風に吹かれて散り、青葉もやがて枯れ落ちる意から】
【添削後】添削無し!!
夏井いつき先生のコメント
正統派の作品。空の美しさから入り、写真を忠実に描いている。空の青を平仮名で書いて柔らかくし、富士の青を蒼と書く事で遠近感を出している。
『へと』は、空が上に広がり、富士は奥行きを出している。その間に何があるのか?
・・・と思わせると、花吹雪の艶やかさを表す季語で締めている。
2019年4月4日【第1回春の春光戦】
2019年4月4日に放送された【第1回春の春光戦】第4位
梅沢冨美男(名人10段)
【本人作】鷹鳩と化す カフェオレの 白き髭
恐ろしい鷹の様な獰猛な鳥が大人しく優しくなった。そういう春を表現する季語。カフェオレを飲むと白い泡が付くという句
【添削後】添削無し!!
夏のタイトル戦!炎帝戦【梅沢冨美男】
http://kinsanblog.com/purebato-summer-title
2017年6月29日【第1回夏の炎帝戦】
2017年6月29日に放送された【第1回夏の炎帝戦】6位
梅沢冨美男(名人10段)
【本人作】星空の 螺鈿を恋ふる 夜光虫
【添削後】星空の 螺鈿さざめく 夜光虫
螺鈿(らでん):螺鈿細工の螺鈿
夏井いつき先生のコメント
一見カッコイイが、やり過ぎている、かっこよく見せようと言う下心が見えてしまう。『恋うる』という擬人化がしつこい。これは品の問題
梅沢『俺が品が悪いというのか!』と怒り狂った(;・∀・)
2018年8月9日【第2回夏の炎帝戦】
2018年8月9日に放送された【第2回夏の炎帝戦】1位
梅沢冨美男(名人10段)
【本人作】早星(ひでりぼし)ラジオは余震 しらせおり
【添削後】添削無し!!
本人の意図
夏の炎天下のその夜、ラジオでは余震のニュースが流れている。空を見たら赤い星が出ていた。ちょっと不吉な感じ。ああ・・・地震があるんだなと言う気持ちを詠んだ句
夏井いつき先生のコメント
巧い句!季語が良い。
【早星】は赤い怪しい感じの星。旱が何日も続いているそういう夜に出る。
ラジオが余震を知らせるという事は本震が少し前にあったと言う状況を伝えている。『ラジオは余震』と言う状況に【早星】と言う季語を取り合わせた事で、不吉な気分を表現出来ている。
【しらす】と言う淡々とした言い方をし【おり】という短い時間の経過を表している。久しぶりに言葉の質量を綺麗にキッチリ考えた、心の隅々まで使った句が出来ましたね。
2019年7月25日【第3回夏の炎帝戦】
2019年7月25日に放送された【第3回夏の炎帝戦】2位
梅沢冨美男(名人10段)
【本人作】鯉やはらか 喜雨に水輪の 十重二十重
【添削後】添削無し!!
夏井いつき先生のコメント
立派な良い句。
【喜雨】の季語が良い、日照りの頃に降る雨の事。
この【喜雨】を喜ぶ生き物や植物を詠んだ句が無いとは言わない。何が巧いかと言うと【やはらか】の表現。
鯉が身をくねらす様にして水面を動かしている。
【やはらか】は中々出て来ない。水の輪っかの広がる様子を【十重二十重】とサラッと言えるかどうかと言うのも、あえてゴチャゴチャやらないと言う決意。
静かで豊かな作品・・・良いじゃないですか!
秋のタイトル戦!金秋戦【梅沢冨美男】
http://kinsanblog.com/purebato-kinsyu
2017年10月12日【第1回秋の金秋戦】
2017年10月12日放送の【第1回秋の金秋戦】出演無し!
2018年9月27日【第2回秋の金秋戦】
2018年9月27日放送の【第2回秋の金秋戦】1位
梅沢冨美男(名人10段)
【本人作】廃村の ポストに小鳥 来て夜明け
『東北震災の時からよく行っていた。ここには住めませんよというところで、偶然ポストを見かけた。それを思い出した。もう誰も来ない。誰も住まない。そこにあるポストは寂しい。そこに小鳥が来てくれた。これからはこの小鳥がオレの所に来てくれるんだ!・・・と言う句』
【添削後】添削無し!!
夏井いつき先生のコメント
優しい句。廃村の寂れたポストを詠んだ句はいくらでもあるが、この後の展開が上手い!単純に小鳥が来たと言う句では無く、小鳥たちは大陸のむこう側から季節を忘れずにこの村にちゃんと来てくれる。
・・・と言うイメージになる。
1番上手いのは【夜明け】
いきなり未明の空が見えてくる。小鳥の声で目覚める。冷え冷えとした朝の空気も感じる。
夜明けの冷たい空気の中で、朝の目覚めの小鳥。それを寂れてしまったこの村を忘れない小鳥たちなんだと思う所に、作者の感動がある。
優しいおっちゃんなんや!!
と最後はお決まりのセリフでけなして大絶賛の句の評価の幕を閉じた。
2019年10月10日【第三回秋の金秋戦】
2019年10月10日放送の【第三回秋の金秋戦】8位・・・
梅沢冨美男(名人10段)
【本人作】徒歩で行く 免許返納 秋の風
本人の意図
徒歩(かち)で行く
・・・という言葉、この言葉を知っているのは芸能界で私だけ!!
時代劇で使う。こういう国語を知っているのは私だけ!!
免許返納は兄の武生が80歳になる。お前は今芸能界一の人気者で、CMもいっぱいやっている。
兄ちゃんがちょっとでも事故を起したら、お前の名前に傷が付く。返納してくる。返納後ちょっと歩くと言って清々しかったと聞いた・・・と言う句。
【添削後】秋風を ある着て免許 返納す
梅沢冨美男さんはムラッ気があるので1位以外は下位に行く事もありますが・・・
さすがに8位は予想外!!
ここ最近(2019年10月時点)プレバト出てなかったし・・・レベルが落ちてきたのかな・・・?
冬のタイトル戦!冬麗戦
http://kinsanblog.com/purebato-tourei
2018年1月4日【第1回冬の冬麗戦】
2018年1月4日に放送された【第1回冬の冬麗戦】3位
梅沢冨美男(名人7段)
【本人作】ざくざくと 空切りひらく 雪下ろし
【添削後】添削無し!!
2019年1月3日【第2回冬の冬麗戦】
2019年1月3日に放送された【第2回冬の冬麗戦】5位
梅沢冨美男(名人10段)
【本人作】万華鏡 めける結露や 初明かり
【添削後】万華鏡 めくや結露の 初明かり
夏井先生のコメント
発想はありがち。ただ【初明かり】は良い。語順を変えると印象が変わる。
強調の【や】を先に置くと良い。
以上!!梅沢冨美男さんの俳句でした(/・ω・)/+
タイトル戦を見る限りやはり癖のある句を詠む為順位にかなりのバラつきがあります。
現状、実際の【ミスタープレバト俳句】は東国原英夫さんに軍配かな?
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